「どうしたの雪乃?」
アリス・・・亜莉子は戸惑ったように私に問いかける。
その声はどこか少し照れくさそうにも聞こえないでもない。
理由は簡単だ。
私が後ろから抱きついている以外、他に考えられない。
「少しだけこのままでいさせてー」
巻きつけるようした手をぷらぷらと揺らして、のんびりと振るまう。
別に彼女を困らせようとしての行動ではない。
「・・・少しだけよ?」
亜莉子は周りを見渡すかのようにした後、そう呟いた。
昼休みの時間もそろそろ終わりに近づく教室は人はまばらだ。
もちろん彼らには私の姿は見えはしてないだろうけれど。
こうして私が幼い子供のような行動をするのは、
あなたがそうしたいと、オカアサンに愛して欲しいと願った証。
『雪乃』があなたには必要だから
視界が世界がゆらゆらと揺らめいた。
抱きついた腕と体が熱を帯び、歪みを吸いあげてゆくのだ。
手招くようにして歪みは甘い蜜を漂わせて私を歪みへと誘う。
・・・いつまで私はその手を取らずにいられるのだろうか。
ぼんやりと視界に映る愛しい彼女の背中のぬくもりを感じながらそう思う。
ああ、もういいかもしれない
「だって亜莉子、元気そうじゃないもの。だから元気になれるように、ね?」
私は亜莉子に微笑みかけて最後に、ぽんっと背中を押して離れた。
彼女の温かいぬくもりは一瞬にして消えてしまった。
少々名残惜しい気もするけれど、また亜莉子が望んだときにまた抱きしめればいい。
「ありがとう、雪乃・・・・」
はにかむ様にして笑顔を見せる姿はとても彼女に似合っている
「亜莉子は笑顔が一番なんだからね」
そう、あなたは何も心配する必要はない
あなたを悲しませるような出来事は全て私が忘れ去らせてしまうから
抱きついたその腕は
<<さびしいなら、そばにいてあげる>>
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拍手文を紛失したので、書き直す前のです。
何か足りないのですが忘れました。雪アリって難しい・・・。
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