片付けをしていると、懐かしい童話の絵本を見つけた。

よくお父さんに読んでもらった話だ。
チェシャ猫だったら、なんて答えるだろう。
 
「ねえ、チェシャ猫」
「なんだい、アリス」 

ころころと転がるのをやめてアリスの方を向く。
 
「チェシャ猫、なんでフードをそんなに被ってるの?」
「アリスが闇に飲み込まれないようにさ」

「チェシャ猫、なんでいつもそんなに笑っているの?」
「アリスの猫だからだよ」
 
「チェシャ猫、なんであなたの歯はそんなに尖っているの?」
「アリスを食べるた・・・」
 

バシッ
 

「アリス、最近凶暴だね」
「チェシャ猫は最近可愛くないわね」
 
頬をふくらませてアリスは猫をにらむ。
 
・・・・・・・。   
 
「絶対食べさせないからっ!!」
「アリス、君が望むなら」
 
だけど

お気をつけ、アリス

猫は狼と一緒で甘い言葉で欺くのだから

     
と狼 <<食べるだけじゃ物足りない>>