※拍手を外しましたので以下まとめになります。


***2度目の拍手ありがとうございます***

「2回も拍手してくれたんだって、チェシャ猫」
「それは良かったねアリス。ところでハクシュは美味しいのかい」
「もう、チェシャ猫ったら!」


***3度目の拍手ありがとうございます***

「3回目だよー、チェシャ猫・・・って何してるの?」
「ハクシュの準備だよ」
「メロンは必要無い気がするけど」


***4度目の拍手ありがとうございます***

「ところで何で拍手の設定変えたのかな?」
「何回も同じ画面見るのは嫌だからそうだよ」
「確かにそうかもね」


***5度目の拍手ありがとうございます***

「で、そのメロンどうするつもりなの?」
「・・・トモグイ?」
「さすがに共食いはお勧めしないわ」


***6度目の拍手ありがとうございます***

「ほら、チェシャ猫も一緒に数えて、ろーく」
「?ローク」

***7度目の拍手ありがとうございます***

「なーな」
「アリスが7つ、アリスが」
「ちょ、それ怖いから!」

***8度目の拍手ありがとうございます***

「はーち。いっとくけど蜂じゃないからね」
「蜂と言えば蜂蜜だね。蜂蜜は抗菌効果があって、
 切り傷や軽い火傷に直接塗ると効果があるんだよアリス」
「・・・チェシャ猫って変な事は知ってるのね」

***9度目の拍手ありがとうございます***

「あともういっかいで最後!」
「アリス、ちゃんと数字が数えられるようになったんだね」
「それは随分昔の話!」


 

 
<1>

「アリス、知ってたかい」
「何を?」

いつの間にか膝の上に猫の頭が乗っかっていた。
猫って素直じゃないのね。撫でてくれって言えばいいのに。
灰色のフードを撫でてやると、満足そうに猫は喉を鳴らす。

「10回拍手すると何か出てくるらしいよ」
「知らなかったわ、だってそんなに拍手しないもの」
「だけど、こんな話にそんなにも拍手してくれる人がいるのさ」

感謝しないとね、アリス。
口角をにんまりと更に上げた猫の顔は嬉しそうだ。
本当に感謝だ。でも私が撫でてるよりも嬉しそうにする猫は可愛くない。
ちょっとした意地悪のつもりで、猫の頬を軽くつまんだ。結構良く伸びる。

「でも私達が何でここに借り出されてるの?」
「これを書いたチキンから10回もパチパチしてくれた人へのソシナ、だそうだよ」

痛いよ、アリス。
そのうち形が変わってしまうから手を放しておくれ。

猫の全然痛くなさそうなその声につまんでいた手を放した。
あんまりに良く伸びるものだから思わずつまんだままだった。
少し可哀想な気がするので、赤くなった頬を擦ってみる事にする。

「粗品よりタチが悪くないかしら?もっとちゃんとした話を書けばいいのに」
「そうだね、アリス。アリスの血とか肉とかちゃんと書かないと」
「それは駄目」

ぺし、と軽く猫の額を叩くと猫はおどけたように、駄目かい?と繰り返した。
当たり前、誰が好き好んで自分が食べられたりする話を勧めるのよ。

「まあチキンは急いだみたいだけどね、
 ちゃんとした話を書かないと喰ってしまうと脅してこようか」

冗談のような言葉だが、この猫の事だからきっと本気に違いない。
結構名案ね、食べられるのは誰でも御免だからきっと書く気になるわ。

「お腹壊さないようにするのよチェシャ猫」
「そうだね腹を壊してしまうかも知れないから、口直しにアリ「それも駄目!!」」
「やれやれ、僕らのアリスは頑固者みたいだ」



<2>

「えーと、2回目なんだけど・・・」

ちらりと叔父の表情を亜莉子は見た。
腕を前で組んでむっすりと黙っている。

「叔父さん?」
「・・・ちゃんと聞いてる」
「そうだよ、君もちゃんと聞かないと」

亜莉子ちゃんが困っちゃうからね。
機嫌が良さそうに武村はにこにこと笑っている。

「だけど何であんたがいる必要があるんだ!」
「ひどいなあ、僕は呼ばれただけなのに」

目の前で繰り広げられる仲の良いとは言えない会話に、
亜莉子が小さく溜息をつくと腕の中の猫が首を傾げた。
場の雰囲気が良くないが進めないことには話にならない。

「えっと!今回は叔父さんと武村さんの二人きりにだって」

そそくさと猫を抱え直し、場を離れる亜莉子の後姿に、
これまた笑顔で手を振りながら武村は残念そうに呟いた。
 
「あーあ、亜莉子ちゃんが良かったな」

「・・・どういう意味だ」
「だって男二人なんてむさ苦しいだけだろう?」

それともむさ苦しいほうが、君は良かったのかな。
胡散臭いまでの完璧な笑顔をこちらに向けてきた。
笑顔、笑顔、笑顔。見ているだけでも吐き気がする。

今ここでこの男を埋めたほうが全世界の為に・・・
脳裏に浮かんだ考えを引っ込めた。いけない、それだけは駄目だ。
犯罪なんて犯したらこの男と同類になってしまう。

「ところで、何で亜莉子ちゃんはメロンを持ってたんだい?」
「はっ?」
「だからメロンだよ」

メロン。亜莉子が持っていたアレがメロン。
どう見たってアレがメロンに見える訳が・・・。

「あんた・・・メロンに見えるなら幸せだな」
「?」


十の真実を貴方に  ++++++++++++ 今までの拍手まとめでしたー。