「えへへ・・・」
 
部屋に入るとこたつの端でぬくぬくと猫が丸まっていた
そういえば最近チェシャ猫が、こたつから離れたところを見たことが無い気がする
 
「嬉しそうだねアリス」
 
「えっとね、お年玉貰ったの」
 
「オトシダマ」
 
「そうお年玉」
 
今まで親戚にお年玉を貰ったことはなかった
・・・・・どちらとも疎遠な関係だった事だし
だけど今は叔父さんもおばあちゃんもいる
なんだか新鮮な気分で、何となくくすぐったい
 
ふと、猫の視線が年玉袋に集中している事に気づいた
そうか、チェシャ猫お年玉について知らないのね
 
「チェシャ猫もいるよね、お年玉」
 
美味しいものあげるから、明日楽しみにしてね
猫の頭をひと撫ですると私はこたつに潜り込んだ
 
「オトシダマ・・・」
 
猫はもう一度呟くようにして、年玉の意味を考え始めた
 
良く分からないけれど、
アリスが美味しい何かをくれるのは確かだ
 
美味しいものと言えばアリスぐらい・・・・
 
アリスのカルパッチョにアリスの紅茶煮
アリスのミートローフにアリスのソテーにアリスのシチュー
 
蕩けるような(実際に蕩けている)アリスで出来た料理の数々
どれも美味しそうだけれど、血が滴らないのはいけない
 
ウェルダン何てもっての他だし、ミディアムでも
ミディアムレアでも駄目だよ、それにレアだとしても
 
やっぱり皿に載ったアリスより、生きているアリスがいい
 
「そのままがいいよ」
 
「チェシャ猫もお餅食べるの?」
 
焼かないと食べられないわよ、そのままじゃ
 
僕の結論を無視してアリスは机の上の白い固そうな何かを指差した
たしかにそれは焼かないと美味しくないのかもしれないね、アリス
 
 
でもアリスは焼かないほうが美味しいよ、絶対に

     
Epicure

<<極上の味の君の猫はグルメ>>
  ++++++++++++ Epicure=「美食家」です。 4000HITさくら☆さまからのリク「猫とアリスとお年玉」 ごめんなさい、色んな意味で力尽きました・・・苦情はちゃんと受け付けます。 どこら辺がお年玉なのかって感じですね、ハイorz